事故

スズキ本社食堂の委託業者と中毒事故の原因「節約主義の行き過ぎ」

スズキ本社一酸化炭素中毒事故

2022年8月23日午後1時ごろ、静岡県浜松市の自動車メーカー「スズキ」の本社で、社員食堂のスタッフ14人が一酸化炭素中毒と見られる症状で救急搬送されました。8月24日、警察と消防は現地の実況見分を行ないました。

委託業者と事故の原因、世間の反応を探りました。

スズキ本社の社員食堂の委託業者は「株式会社グリーンハウス」

一酸化炭素中毒で救急搬送された方々は、株式会社スズキの社員ではなく業務委託契約を結んでいたフードサービス会社の従業員の方々でした。この社員食堂の厨房では55人の方がスタッフとして勤務していました。

スズキ本社の社員食堂に業務委託契約で入っていた業者は、東京都に本社がある株式会社グリーンハウスです。そのグループ企業の中のジー・エイチ・ホスピタリティフードサービス中部株式会社というところが直接管理しています。

ジー・エイチ・ホスピタリティフードサービス中部株式会社は愛知県名古屋市中区にあります。スズキの本社だけでなく他の工場の食堂もこの会社と委託契約をしています。

換気システムが人為的に稼働していなかった場合、清掃や手入れ不足により十分な排気が行われなかった場合など、責任問題が発生する可能性があります。今後何か発表があるかもしれません。

現在スズキの社員の方と思われる方の書き込みがありました。

5年ほど前に食堂の業者が変わり、ご飯の量が異常に減った。社員の不満も大きかった。想像するのはコストカットし過ぎて調理員の教育に手が回っていない可能性がある。これにより、調理員もコンロの不完全燃焼を気にしていない、換気扇の手入れ不足またはつけ忘れなどが原因に上がってしまう。

委託契約料が値切られていて低かった場合などは、それが今回のことに何らかの影響を及ぼしたと言えるでしょう。

スズキYahoo!コメント

環境設備が劣悪な厨房多いですよ。洗浄室なんて45度あったりしますし、給食関係は外部委託が多いので立場が弱くて何も言えないことが多い。

以前からスズキ本社食堂スタッフの求人の募集がされています。(8月23日現在)

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しばらくはこのような恐ろしい職場で働きたいという方はいないかもしれません。早急にしっかりと改善策を示して時給を上げる必要がありますね。

株式会社グリーンサービスはどんな会社か

株式会社グリーンサービスは資本金21億。グループ関連企業は約50社もあり大変大きな企業です。

今回のスズキ本社の場合のように、企業から業務委託契約を受けて食事を提供する給食事業を柱にしています。コントラクトフードサービスと言います。

スズキ本社の食堂を請け負っているジー・エイチ・ホスピタリティフードサービス中部株式会社は東海・北陸地方のコントラクトフードサービスを行っています。

株式会社グリーンサービスは、他にもフードサービスに関する様々な事業を多角的に全国的に展開しています。その規模は海外に拡大されています。

  • レストラン・デリカ事業
  • ホテル・旅館事業
  • 業務用食資材や食材の販売
  • 厨房機器や什器・備品の販売や環境品質マネージメント
  • フードサービスコンサルティング
  • 人材派遣サービス

レストランサービスでは、「とんかつのさぼてん」「うどんつるこし」がよく知られています。

東南アジア10カ国に出店し、海外でも行列のできる店として知られています。

一酸化炭素発生の原因は食洗機と換気のトラブルか

警察と消防は、8月24日午前スズキ本社において現地の実況見分を行いました。

事件当日8月23日に、食堂の洗浄室にある食器洗浄機付近から一酸化炭素が検知されています。一酸化炭素はこの食器洗浄機のなんらかの異常によるものとみて、機械メーカーとともに点検作業を行なっています。

また換気が正常に行われていたかどうか設備や作業状況の確認もしました。

一酸化炭素発生の原因の可能性は次の2点です。

  1. 業務用の大型食器洗浄機(ガス動力)の不具合により不完全燃焼が起きた。
  2. 換気が適切に行われていなかったため空気が足りず不完全燃焼が起きた。

今後結果が発表されることと思いますが、

まず、現場となったスズキ本社の社員食堂とはどんなところなのでしょうか。

スズキ本社の巨大な社員食堂と厨房

自動車メーカーのスズキ本社は静岡県浜松市にあり、地元に根を下ろした歴史ある企業です。

現在約1万人の従業員がいて社員食堂は相変大きな施設となっています。

スズキ本社食堂株式会社スズキ採用ページより

社員食堂は本社の北館C等で5階建て建物の1階部分にあり、社員や取引先の社員などが利用できるようになっています。日頃、定食や麺類など様々なメニューが提供されています。

スズキの本社は建物が古く老朽化している印象が関係者や地元では有名ですが、この食堂の入っている建物は新しく建てられたもので、その際に食堂はリニューアルされました。

一度に約1000人の収容が可能となっていますが、現在はコロナの感染拡大に伴う対策で利用できる席数を500人程度に抑えています。一般客の利用も現在はできません。

利用時間は11時45分から14時まで。従業員は時間帯を分けて分散利用しています。

異変が発生した当時も数百人の従業員が昼食を取っていましたが、一酸化炭素中毒の症状が認められた人はいませんでした。

料理を受け取るカウンターの向こう側は厨房になっています。厨房には隣接して洗浄室があり、壁とドアで仕切られています。

この部屋で大量の食器を洗浄乾燥しており、大型の食器洗浄機器が設置されていました。

食事を終えた従業員が食べ終わった食器を「食器返却口」に持っていきます。その「食器返却口」が設けられているところが食器洗浄を行う空間です。

体調異変者が発見された当時の状況図

たいてい大型厨房の食器洗浄機は、連続的に洗浄とすすぎを行うコンベアタイプが主流です。大量のお湯をすすぎに使用するため、常にお湯を沸かしている状態になります。ブースターと呼ばれるガス湯沸かし機がついています。

このガス湯沸かし機の燃焼系の部分に何らかの不具合があって不完全燃焼が起きたものと考え警察と消防が詳しく調べています。

「換気」はきちんと行われていたのか?

換気をしないままガスが燃え続けると
→  空気(酸素)が足りなくなり
→  不完全燃焼となります。
→  一酸化炭素が発生します。
たとえば食器洗浄機に不具合がなくても、排気が十分に行われずにいると酸素が足りなくなって不完全燃焼が起こります。

♦︎静岡理工科大学 山崎誠志教授へのインタビュー♦︎

「換気が影響知しているのかなということは考えられます。たとえば、換気扇ですね。換気ダクトに油が付着してて換気がうまくいってなかったとかですね。」

大規模な食堂施設で使用される高温高圧で洗浄乾燥するシステムは、ガスを使用するので多くは相応の給排気システムの設備が設置されています。
この給気と排気のバランスが大切です。次のような状況では一酸化炭素が発生します。
  • 給気が何らかの理由で行われていないため酸素が不足。(部屋が暑くて切るなど)
  • 給気が不十分なために排気がONでも十分に排気できない。
  • 給気が不十分なために排気口側から給気しようとする現象(逆流)が起きる。(再度排気が流入してくる)

ネットに元委託業者の方の書き込みがありました。

元委託給食会社勤務。換気、給排気は当たり前として、従業員50人くらい規模の社員食堂の洗浄、暑いです。でも、やらなきゃいけなきゃ給排気切ったかもしれない。当たり前の室内温度、湿度を立場関係なく考えるべきではないかっ!と思います。記録できるくらい、余裕欲しいよね(笑)

経済産業省からは、近年一酸化炭素中毒の発生が多いとして、事業者に対して頻繁に注意喚起が行われています。

一酸化炭素は無色・無臭のため、発生に気付かずに中毒になるケースがほとんどだといいます。過去には、機器の給排気口や換気設備の吸い込み口にほこりがたまり、換気ができなかった例などがあり、全国の事故事例も厚生労働省のホームページで紹介されています。

一酸化炭素中毒は短時間であっという間に大勢の命をも奪ってしまう恐ろしいものです。このようなことが起こらないよう日頃の作業の徹底が重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一酸化炭素警報器は故障していたのか?そもそもなかったのか?

経済産業省からの強い呼びかけに、一酸化炭素警報器の設置があります。

誰もが今回のニュースを聞いたときに、「警報器はなぜ鳴らなかったのか?」「警報器は故障していたのか?」「スズキの社員食堂の厨房にはまさか警報器がついていなかったのか?」と疑問を抱いたでしょう。

ネットでも多くの声が上がっていました。

警報器が無いなら設備所有者、警報器を切っていたなら設備利用者、いずれにせよ人災でしょう。個人的予想は、警報がいつも鳴ってうるさいから切ってた、です。

どこのガス会社が供給しているの?CO探知器とガス漏れ警報器は工場ならば取り付けるべきでは?提案して拒否されていたら、スズキが責任重大ですがね。

スズキの現在の対応

異変発生後のスズキの対応はどうだったのでしょうか?きちんと会見を開き、説明と謝罪をするべきという声も上がっています。

♦︎事件当日に「お詫び」のコメントを発表

事故発生後、株式会社スズキは「弊社食堂厨房での体調不良者発生について」として、お詫びのコメントを自社ホームページから出しています。

  • 「本日、弊社食堂厨房内において複数の方が体調不良となりました。近隣住民の皆様をはじめ多くの皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけいたしました。誠に申し訳なく心よりお詫び申し上げます。」
  • 「今後、浜松消防署などの現場検証および原因究明には全面的に協力してまいります。原因が判明次第、安心・安全な環境に向けた再発防止策を講じてまいります。」

スズキの超節約体質が招いた事故と意見が噴出

地元や関係者だけでなく、スズキの超節約体質は有名です。

「とにかく節約して良いものを作る」というのはもちろん素晴らしいことなのですが、あまりに行き過ぎて、大企業でありながらしばしば「ブラック」と言われています。その理由は、一つに劣悪な労働環境があるようです。

本来質素倹約は美徳ではありますが、残念なことこに、かけるべきところにもお金をかけない、人を大事にしない、という評判が定着しています。

自動車メーカーの中で一番給料が低い、サービス残業がいまだに続いている、老朽化した社屋、工場が汚い、など地元では『スズキ=ドケチ』が公然の認識となっています。

以下ネットの書き込みです。

スズキの本社は驚くほど質素です。昭和の応接間みたいなところに通されます。あれを見せられると、値段交渉で折れざるを得ない。よく考えているとは思いますが。安全面にはお金をかけないとダメだと思います。

こんなんじゃSUZUKI車、排ガス規制大丈夫?

スズキは食堂までブラックなのか?

品質よりもドケチ命なスズキだからなぁ。換気装置のメンテ代ケチったんじゃないの?スズキ車のテールランプ片目率は異常。

自動車会社なのでイメージはよくないですね。

スズキといえばドケチ経営。インド最大手の会社の日本の総本社のショボさを見てインドのスタッフは驚くそうです。それはもちろん「無駄なお金は使わない」という意味ですが、正直この事故はオンボロ施設の使い倒しの欠点が出ていると思われます。この程度の警報も備わっていないとは。

まあ、査察なり操作が入って設備が稼働してないとか元から無かった。ということが公表されれば会社の体質が分かってよろしいのではないかと。一流企業であれば社員の安全は最も重要なのですが『節約』と『ケチ』をはき違えている気がします。

過去、仕事で本社にお伺いしたことがありますが、真夏でも冷房をつけず質素極まる設備だったと記憶してます。費用を顧客に重点を置くことは考え方は立派ですが、偏り過ぎた時代遅れの感は否めない起こるべくして起きた事故ではないかと思います。

スズキの何千人の従業員がランチ難民になったのか?

事故発生当時ネット上で、スズキ従業員の方々の翌日以降の昼食の心配をする声が多く上がっていました。もしも自分がその立場だったとしたら、これは切実な問題です。

水曜日は全員弁当持参?

また、当初食堂の営業はしばらく取りやめるとの情報が流れていました。

数千人のランチ難民の発生が危ぶまれていましたが、翌日以降の社員食堂の営業については、厨房側の設備に問題がないことから再開されました。みなさんホッとなさったことと思います。よかったですね。

ただし洗浄室が使用できないことから食器を使用せず使い捨ての容器で対応しました。その手がありましたね。

けれど食器は洗わなくて済んでも、大きな鍋やたくさんの調理器具は調理員の方々が手洗いをしたに違いありません。本当に心からお疲れ様です。

追記:スズキ本社食堂の洗浄室「一酸化炭素警報器は設置されていなかった」

8月25日、食堂の洗浄室には一酸化炭素警報器が設置されていなかったと報道がありました。

洗浄室にはガス漏れ警報器は設置されていました。しかし一酸化炭素検知器は設置されていませんでした。(兼用タイプのものではなかったということですね。)

警報器はならなかったという証言が一部で報道されていましたが、やはり確実だったようです。

一酸化炭素検知器は設置については、近年発生が増えていることから経済産業省から強い推奨があり、パンフレットなどで広く周知されています。

ガス漏れ警報器には一酸化炭素検知器もついている兼用タイプが発売されています。

作業工程の簡単なミスで一瞬で死に至ってしまう可能性がある危険な一酸化炭素中毒。探知機が設置されていなかったことは危機管理のレベルを疑われてしまうのは必至です。

命を守り安全を追求するはずの大手の自動車メーカーの本社内で起きたことで、今回の事故の意味は重く、信頼を失うことになりかねません。

追記:スズキ本社食堂の洗浄室「換気設備は稼働していなかった」

8月25日、事故当時食堂の洗浄室の換気設備は稼働していなかったことが報道されました。

警察の捜査に対し、事故発生当時現場にいた従業員から「事故当時、換気システムのスイッチが入っていなかった。」という説明がありました。

また大型の食器洗浄機器をメーカー立会の元詳しく調べましたが、調べた結果食器洗浄機には何の問題もありませんでした。

連日の猛暑なら、給気システムによって外からも熱い空気が入ってきます。単なるつけ忘れでなく、人為的に給気が止められた可能性があります。冷房が追いつかず効かないうえに外の熱い空気が入ってくるのですからたまりません。

地獄のような室内の高温と我慢できない湿度に、スイッチを切ってしまったのかもしれませんね。

社員食堂の入っている建物は新しいものですが、この建物を作る際に外部へ設計を発注するのを惜しみ、自社の設計部にやらせました。スズキらしい経費節減の話です。

スペシャリストではない人間が設計したことによって空気の流れなどが適切でなくなり、 新しく快適になるはずの職場に新たな劣悪環境をもたらしたと聞いています。

食堂が作られたときはどうだったのでしょうか。費用をケチられて作ったものなら、たとえば一酸化炭素がスムーズに流れずにある箇所に滞留しやすくなる、といった現象などが起きます。

大型の機器のレイアウトなども大事になってきます。命を守るために丁寧な働く環境づくりが必要です。

そもそも給気だとか排気だとか、エンジンを製造している会社が洒落にもなりません。

全員の方の完全なご回復をお祈り申し上げます。

 

時の音♪Line

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